Tuesday, October 9, 2012

足場が取れた!

先週末渡辺さんから火曜日(つまり今日)足場を外しますよ、と伺っていました。
妻が昼頃通りかかると、職人さんたちが驚異的スピードで足場を解体していたとのこと。



 夜、仕事帰りに現場に寄ってみると、もうすっかり足場が無くなっていました。
補修をしたのだろうとは思いますが、コンクリートがとてもきれい!
垂直、水平のエッジがピシッと出ていて、コーナーは痛そうなくらいとんがっています。

それにしても2階の張り出している部分の不思議な浮遊感とボリューム感のインパクトは予想通りかなり強いものになっています。


支える柱がないのでピロティと呼ぶのか分かりませんが、2階の張り出している部分の下はこぢんまりとした気持ちの良さそうなスケール感になっているように思います。
早くベンチや植栽などの外構ができてスケール感覚がつかめるようになると、もっと魅力的に見えてくるのでは、と期待が膨らみます。


今日は携帯でしか写真を撮れなかったので、明日の明るい時間にカメラを持って見に行けたらと思います。


おまけ。
壁がちでポツ窓というと、アドルフ・ロース(19世紀末から20世紀初頭にウィーンで活躍した建築家)の建築に似てくるのが不思議です。

これはモラー邸。
エントランスの上部に四角いボリュームが飛び出しているのが月ビルに似ています。




Monday, October 8, 2012

安全基準の悩み

田中さんからメールが送られてきて、手すりについてのご相談。
親世帯の1階のリビングと2階の子供室を行き来するための階段の手すりについて。
この階段は上り口の3段分が曲がっている(右下の平面図参照)のですが、そのために階段がまっすぐな部分に付けられる手すりと曲がっている部分の手すりが直線では繋がらず、繋げるためには2度折り曲げる必要があります。
細い線状の物が折れ曲がって複雑な形状になってしまうのでデザインがやや煩くなってしまうけれどもどうしましょう、というお話しでした。床から1mの高さまでなら手すりはなくても法規的には許容範囲だとのこと。転落しても大した高さではないからということで、そのような取り決めになっているのだと思います。しかし、この階段は高齢者である父や母も使う可能性があり、しかも階段の曲がっている箇所は一番転びやすい箇所でもあります。
見栄えは若干悪くなりますが、余計な心配を増やしたくはないと思い安全第一にすることにしました。




もう一つの相談は3階から2階へ下りる階段の最上段部分に設置する予定の扉についてでした。
この扉の回転の軌跡が手すりの位置と干渉してしまうことが分かったのです。
扉の背を床から600mmにすれば手すりを避けることは可能なのですが、現時点で1歳1ヶ月の息子の身長は80センチ強。分別がついて階段の上り下りが一人でできるようになるまでどのくらい身長が伸びるのやら。600mmだと今の身長でも顔がまるまる扉の上に出てしまう高さなので、やっぱり心許なく感じます。
もとの計画通り850mmの高さの扉にすると、図の左の絵のように手すりの位置に欠き込みを作る必要があります。この端っこの欠けた扉の形がいかにも場当たり的な感じがして今ひとつに思われるというのが問題です。
この扉の欠けた部分を壁側に対応するように取付けておけば、扉を開いた時の状態では欠けた部分を補う形になるし、腰壁上端に取り付ける予定のLEDのライン照明が側面から見えてしまうのを隠すことができます。
さらに、電話で相談した際には扉の背600mm案と850mm案の折衷案で700mmにするのはどうだろう、というご提案も頂きました。腰壁部分には上端から150mm分の固定部分を取付けて、扉の側には100mm角の欠き込みを作るという解決策です。
デザインのシンプルさで言うと、600mm案>700mm案>850mm案という感じがしたのですが、安全性という面から考えると全く逆になってしまいます。ではどこまで安全を優先したらよいのか。子供が何かを踏み台にしたら1mあっても乗り越えてしまう可能性はあります。(実際息子は何かの上に立つのが大好きで、高いところによじ登るのも得意です。)
こうなってくると程度問題で、何を基準に考えるのが良いのかということになってきます。悩んだあげく、市販品のベビーゲートで階段の最上部に取り付けられる製品の扉の背をしらべたところ、約900mmという製品を見つけたので、それになるべく近い数字の850mm案にすることにしました。
そして扉の形状としては、いかにも手すりを避けるために欠き取ったという感じを軽減するために、欠き込みに合わせて縦に素材を切り替えてもらうことにしました。



この手すりとゲート問題で改めて、安全ということをどのように考えるべきなのかとても難しいなと感じました。リスクを取るのか、デザイン性を取るのか、安全といってもどの程度までが適正な防止策になるのか。デザイン性とリスクというと、怪我というリスクを冒してまでデザイン性を優先することはない、と簡単に結論づけられてしまいそうですが、毎日過ごす空間を安全性だけで考えるとても息苦してなおかつ見苦しい空間になってしまいそうです。そして安全性というものは原発に関する議論でも津波や地震対策にしても費用対効果という物差しや価値観の問題になってきて正解のない問題のような気がします。自分の価値観が問われているように思いました。

それにしても、工期をあと3週間という段階になって決めなくてはならないこと、予測のついていなかったことが次々と押し寄せてくるものなのだなと驚いています。追い込みというのはこういうことだったのか。何もかも全て隅々まで予測を立てておくというのは不可能な訳なので、必要とされるのは現場で何か問題が起こったときに即座にその問題に柔軟に対応する能力なのだなと思いました。そしてその能力を鍛えるのは経験しかないのでしょう。

Saturday, October 6, 2012

2階、3階

子供室のドア枠。着々とできあがって来ています。



子供室収納。
この収納には扉がつかないので、カーテンを掛けることになるのですが、今日来たコーディネーターの方に良さそうなカーテン生地の候補をいくつか送ってもらうことになりました。


2階子世帯寝室の収納。
クロゼットになるスペースです。
ここも扉はつけずにカーテンで仕切ろうと考えていて、以前の月ビルで使用していたレースのカーテンを再利用する予定です。幅はちょうど良いのですが、丈がちょっぴり短いようなのですがたぶん気にならないだろうと思います。
それよりもレースのカーテンでクロゼットの中のゴチャゴチャした物が本当に目隠しできるかということの方がちょっぴり心配です。


寝室から廊下側を見たところ。
ここにも輻射冷暖房のパネルを設置するための柱が取り付けられています。


寝室前の廊下。


2階子世帯のバスルームの壁も塗装下地となるプラスターボードがパテ処理されています。


洗濯機置き場。
ここもカーテンで隠そうということになっています。カーテンは床に使用する予定の淡いグレーに似たものが良いだろうということになりました。


3階。
部屋の真ん中におかれていた資材が無くなったせいか、今日行ってみるとなんだか広くなったように感じました。行く度に大きさの感覚が変わります。住み始めたらどんな風になるのだろう?


床に敷くフローリングも届いています。
オークのフローリングです。サンプルで見た物よりも少し色味が強いように感じますが、質感はとても良さそうです。色味はロットによっても異なるとのことなので、全体に敷き詰めてみないとどのようになるかは分からなさそうです。


キッチンの換気扇のためのダクトの部品。予定していたよりも50ミリほど大きめの寸法が必要になりそうだとのこと。その分収納スペースが減るので何とか元の寸法でできないか検討しているのですが、ちょっと難しそうです。ぎりぎりになるまで部品などの正確な寸法が分からないというのは、他の部分にも波及してくるだけに困りものです。


地下と1階

地下の寝室と階段ホールの間の収納が作られて、寝室がだいぶ囲われた部屋らしいスペースになってきました。



1階から地下に下りる階段もできつつあります。階段の上の方は鉄筋コンクリートで壁から片持ち構造になっていますが、下半分は収納を兼ねた木で作った家具になっています。この収納の扉は建具屋さんにメラミンで作ってもらうことになっていたのですが、階段の蹴込みの部分や洗面台側の部分などはメラミンという訳にもいかないのでオイルペイントで仕上げるという話になり、急遽建具屋さんに連絡して扉もオイルペイントで仕上げることに変更しました。
家具と階段が複雑に絡み合っている場所は考えるのがなかなか難しいと感じました。
片持ち構造の階段の出の寸法についても、田中さんが意図していたことと実際にできあがっている状態が若干異なっていたため、渡辺さんとどうしたものかと相談したのですが、今からの変更は難しいということと、完成時の印象に影響はそれほど大きくはないだろうということで、許容範囲とすることになりました。
また、手すりの取付方も田中さんから説明を受けました。


父の書斎スペース。東側から光りが降り注いでいて気持ちよさそう。
なぜかここだけすでに漆喰が塗られていました。


1階のリビングからダイニングを見たところ。
輻射冷暖房のパネルを取り付ける位置に細い柱状の部材が取り付けられていました。


コンクリート

エントランス前のところに小さなベンチのような物が二つ置かれていました。なんだろう?



玄関へ上がる階段の手すりを取り付けるスチールのバーがいつの間にか壁に埋め込まれていました。


玄関前。庇も補修をしたのか、打設時は少しぼろっとしていた箇所がシャープな形に直っています。


3階テラスのプランターボックス。先日の現場打合せで消してもらうことにしたセパ穴が、実にきれいに跡形も無くなっています。田中さんがきれい過ぎて物質感というか素材感のようなものがなくなってしまったとメールに書かれていましたが、確かにどのように作られた物なのか謎であるくらい痕跡がなくなっています。


こちらはシンクとカウンター。ここも手前の面にセパ穴がいくつもあったのですが、跡形も無くなっています。すごいテクニックだなぁと感心してしまいました。


玄関を入ったところの突き当たりの壁もコンクリート打ち放し仕上げです。コンクリートを流し込むときにできたもやもやっとした色味の違いで境界線が斜めにできています。これも消そうと思えば消せるとのこと。このままでも良いような気もして迷うところです。


カーテンの生地

昨日、南青山にあるFISBAのショールームに行ってきました。
両親世帯の寝室の南側にある大きな掃き出し窓に取り付けるローマンシェードの生地を選ぶためです。
事前に田中さんからベッドカバーにやはりFISBA社のPaminaという生地を使用しているのだということを伝えておいてもらい、それとの相性の良さそうな生地をピックアップしておいてもらいました。
ショールームでは寝室に使われる床や天井、家具等の素材や窓の方位を話して相談に乗ってもらいました。たくさんの種類の生地がありましたが、候補に選んでもらったのは割と少なくて、それほど迷わずにすみ、とても助かりました。
相談に乗ってくれたスタッフの方は以前どこかであったことがあるなと思ったので聞いてみたら、以前の月ビルの改修の時にOZONEのショールームで生地選びの相談に乗ってもらった方でした。オドロキ。
FISBAのファブリックは以前はもっとモダンな印象を持っていたのですが、今回行ってみると割とエレガントというかコンサバという感じの生地が多かったように思いました。


今日は生地から実際にカーテンを作ってくれる業者の方が現場に来て窓周りの採寸をしてくれました。インテリアコーディネーターということで、どんな色味が良いのか相談に乗ってもらいました。

昨日選んだMAROCという名前の生地。大きなチェックの柄で、カラーバリエーションが7種類あります。その内1つは在庫が無いらしいので残りの6種類を実際に窓に当てて見てみました。


ショールームの光の下で見るのと、実際に設置される窓に当てて、逆光の状態で見てみるのではかなり印象が違います。カットサンプルではなく、もう少し大きめのサンプルを貸して貰えたのはとても助かりました。

散々悩んで決めたのは、真ん中の列の下のもの。真ん中の上のオレンジの色味が入っているものとどちらにしようかと思ったのですが、寝室ということもありあまりシェードが主張するのもどうかと思い、おとなしめで周囲の素材となじみやすそうな色合いのものに決めました。

西側の窓なので朝日を心配する必要がないということで裏地はなし。裏地がない方が生地の透けた時の素材感があって良さそうに思いました。寝室は地下で隣りの家との間には万年塀もあるので昼間に覗き込まれる心配もあまりなさそうだったので、レースもなし、ということにしました。シェードになる生地とレースと二重になると窓周りがもたついてしまうだろうという懸念もあったので一重の方が良さそうです。


寝室のクロゼットもきれいにできあがって来ています。



Monday, October 1, 2012

人工大理石を選ばなくては

もう竣工まで1ヶ月を切りました。
決めていないことは早く決めて、どんどん発注・工事をしてもらわなくては。
なかなか決めかねて引き延ばしてしまっているのが、3階のキッチンカウンターです。
明日までに妻と話し合って結論を出してしまおうと思います。

上がデュポンのコーリアン。コーリアンと言えば人工大理石の代名詞のような存在ですが、やや高価。

下の6枚がクラレのノーブルライトという人工大理石のサンプルです。商品全部を見られるサンプル帳は無いのですが、注文したサンプルに関してはコーリアンよりも大きな物を見ることができて、少し想像がしやすく助かります。


とは言え、かなり広い面積を覆う予定の素材をこの大きさで判断しなければならないのはなかなか難しいです。ショールームに行けば良いのでしょうが、今更時間も無いし、そもそもこれだけの種類を網羅して展示しているショールームなどないだろうし、想像力を働かせるしかなさそうです。

タイル工事

1階床のタイル工事がどんどん進んでいます。
先日訪れたときは敷モルタルの工事が進められていたのですが、今日行ってみるとかなりの面積がタイルで覆われていました。


淡いグレーでテクスチャーが少し特徴的なタイルです。
大きさも質感もなかなかよさそうです。
目地はまだ埋められていませんが、同じような色になる予定です。


夕方、田中さんから電話があり、1階キッチンのカウンターの奥に張られる予定のタイル(白)の目地の色をどうしましょうか、と相談されました。
濃い色にするとマス目のようになって主張が強くなりすぎるだろうと思い、白目地でお願いすることにしました。1階のキッチンは白が基調なのであまりコントラストのない方が良いと思います。

ディテール

親世帯のリビングから階段を上がってきたところのコーナー。
ピン角といってすっきりとした直角のコーナーが左官できれいに仕上げられています。


写真右側がコンクリートを白く塗装したもの、左側の黄色っぽいのがプラスターボード。
この二つの面をそのまま繋げて塗装してしまうと、境界線に後から亀裂が入ってしまうので、最初から見切り材という物を挟み込んで二つの面の縁を切っておきます。


今日現場を訪れたのはこのようにコンクリートには付きもののセパ穴をどうするか田中さんと話し合うためでした。モルタルで埋めて化粧を施せばほとんど分からなくなるとのこと。
最初は建物の成り立ちが分かるし、そのまま残しておくのが良いかなとも思っていたのですが、テラスの周囲を取り囲む腰壁にたくさんのセパ穴が残っているのはなんだかうるさいような気がしてきました。少しだけ消してもらって、ある程度残すという選択もあり得るのでしょうが、中途半端になりそうな気がしたので、目立つところは全て消してもらうことにしました。チョークで×印が付けられているのが消されるセパ穴です。


造作工事がどんどん進む

まず子供室から。
子供室への出入り口となる扉の枠が出来、作り付けの収納もほぼできあがっています。


子供室の扉口から中をのぞき込んだところ。
夏は少々暑いかもしれませんが、さんさんと日が射し込んできて気持ちよさそう。


2段ベッドはまだでした。


子供室前の廊下の突き当たりには洗面台が設置されるのですが、その配管工事が済んでいました。


子世帯玄関周り。
開口部のある壁面に塗装がされています。1度塗りの状態なのでまだムラがある状態ですが、もう一度塗るときれいになるのだと思います。
写真右端には玄関と寝室を区切る袖壁が設置されています。


 写真左下に置かれているのがレーザー墨だし器。
これを使って部材の垂直水平を確かめながら作業が進められます。
レーザーを使っているだけですごくハイテクな感じがしてしまいます。