Sunday, December 26, 2010

地上3階、地下1階に

12月24日(金曜日)

仕事場でパソコンを見ていたら、夕方にT先輩からメールが届く。

**********

地下案考えてみました。
 
それと、南側にEVがあって陽が入らないのがずっと気になっていたのです
地下化に伴い、レベルを下げることができるので南北を反転してみました。
(EVのオーバーヘッド確保のため、以前は斜線に当たっていました。)
4階の様子はよくなったと思うのですが、どうでしょうか。
 
ちょっと不確定要素としては、
地盤面の出し方と、地下の天井高さの1/3の出し方が、どう指導されるかです。
もしかすると、もう少し地下のレベルを下げなくてはならないかもしれません。
それから、共有玄関が1階とみなされないかが心配です。
 
それから、1~3階までの階段を以前のままにするために
地下のリビングダイニングには、ゆるい階段で降りることにしています。
将来昇降機をつけることもできると思ってそうしましたが、
やばりバリアフリーでないことが気になってます。
 
玄関も地下にすると、地下から1階までの階段が長すぎて
1階(ご両親の寝室とワークスペース)のプランを変更する必要があります。
 
とりいそぎ、送ります。
鈴木さんに明日図面を送りたいと思っているので、相談したいです。
あとでまた電話しますね。
**********

なんと、もう地下案が出来ている!驚異的なスピードだ。
図面の内容を見てみると、メールに書かれている通り、これまでのプランとの大きな変更は、少し全体を地下に沈めたという点だ。しかしこれに伴い、エレベーターのオーバーヘッドが斜線規制にかからなくなるので、プランの南北を完全に反転して、階段とエレベーターが北側に移動している。そして、問題だった階段が復活して、2,3階間の階段が2本に戻っている。

僕は、地下室というのはてっきり、天井高の3分の1以下が地上に出ている部屋のことだと定義されているのだろうと思っていたので、この程度の地下化(約1m)で今までの1階が地下室になるのだとは思っていなかった。T先輩も役所がどのように判断するのかまだ読みきれてはいないようだが。そういえば、O先輩の設計した自邸を観に行ったとき、実質4階建てなのだけど、玄関を2階に作って、そこを1階として見てもらうことによって、3階建てであると言う事にして防火区画の規制を逃れるという手段を取っていたのを思い出す。似たような手段なのだろうか。

気になる点といえば、すべて既にT先輩がメールに書かれている。玄関から地下に降りるときに階段が数段あり、バリアフリーではなくなっている点ぐらいだろう。それ以外は階段とエレベーターが北側に移動したことによって、採光の面では大きく改善されているのではないだろうか。

T先輩から電話がかかってきたのでお礼を言い、このプランで家族と相談してみることを約束する。

Friday, December 24, 2010

プランの変更、階段が!

22日、朝T先輩からメールが送られてくる。一通はプランを見なおしたというもの。もう一通は地盤調査の見積書を添付して送ってくださったもの。

このプランを見なおしたという中身が結構な問題を孕んでいる。今までのプランでは、1・2階間に階段が一本。これは共有。2,3階間に階段が二本。我々の世帯と両親世帯用のそれぞれ一本ずつ。そして3,4階間に階段が一本。これは我々世帯専用。という構成だったのだが、2,3階間の階段を一本にして共有にしなくては、子供室からの避難経路が階段を通って一旦居室を通り抜けて、また階段になるというので、アウトなのだ。ムムムム。これは痛い。

とりあえず、仕事を済ませて、ついでにプランを一枚プリントアウトして、夜の忘年会まで時間があるので家に寄って行くことにする。帰宅して妻にプランの説明をする。案の定、妻は3階まで階段を共有しなくてはならないこと、子供室と我々の寝室が完全に同じフロアで行き来が容易なことなどに拒絶感を示す。僕としては、子供たちとの距離感はさほど気にならないけれども、妻が嫌がるのはよく理解できる。僕はそれよりもむしろ、今までとても説得力のある工夫を凝らしたプランだと思っていたものが、階段を減らして廊下にしたとたんに、なんだかどうにも落ち着かないプランになってしまったのが残念でならない。急遽変更したのだから、これからまた煮詰めていけば良いプランになるとは思うのだけれども、このままの方向性を維持して手直しを重ねる形で発展させていくのが良いのか、方向性を切り替えるのが良いのか、大いに迷う。

禁断の一手かもしれないと思いつつ、地下室を利用するのはどうか、とT先輩に相談してみることにする。

以下のメールをT先輩に送る。

************

昨日は長時間、あやふやな話にお付き合いくださってありがとうございました。

プラン、拝見しました。昨日から時間の無い中のあっという間の更新で驚きました。

急いで妻にも相談してみたのですが、ここまでの動線の共有になってくると、
ちょっと厳しいな、という反応です。

僕はもともと身内なので我慢出来ないことも無いのですが、
むしろ、階段の横に廊下がついてきたような形のプランに、スッキリとしないというか、
もう一つ、うまくいっていない様な感じがしてしまいます。
子供たちが直接玄関から個室にアクセスできるようになってしまったのも、
どうかな、という気がします。

先日、Tさんがちらっと仰っていたように、地下階を設けるのはどうかな、という話が
頭をよぎりました。コストのことを考えるとあり得ないのかな、と考えていたのですが、
厳しい延床の問題も、階段の問題も、だいぶ制約が緩くなるのではないかと思うのですが。
昨日、ちょっとお見せした予算で現実味のある話でしょうか...

ご連絡お待ちしています。
どうぞよろしくお願いします。

****************

年の瀬だというのに、大幅な方針変更となってしまう可能性が大きいのはとても心苦しい。しかし地下室を作る案を今検討してもらったほうが良いのではないかという判断だ。

メールを送ってからひと休みして忘年会に行く。

妻と一緒にopenvisionを訪れる

12月21日、openvisionで打合せ

午前中に市役所の人たちが来て、その後パルコで買い物をし、一度家に帰って昼食を済ませて代田橋のopenvisionへと向かう。2時の約束だったので1時半の電車に乗って行く。近いものだ。妻とopenvisionに行くのは初めてだ。インテリアの事例が載っている雑誌と、フローリングのサンプルを持参する。

A先輩がいたので妻を紹介する。T先輩がまず、地盤調査の見積書が送られてきたと言ってファックスを見せてくださる。費用は18万円くらいで、実際はもう少し安くなるかもしれないとのことだった。

次に修正されたプランを説明してくださる。キッチンがコの字型に変更されている。わずかながらキッチンの面積を削って、僕らの寝室の収納の面積を増やしてくれたのだ。カーンのフィッシャー邸のキッチンが、カーンの設計から変更されてフィッシャーさんの設計でコの字型になっており、これがとても使い良さそうだったと言って写真まで用意していてくださる。
やはり延べ床が厳しいので、どうやって面積を搾り出そうかという事を相談する。さすがにここまで来ると寸法も面積も、きちきちに詰まってきていて、どこも削るのが難しい。唯一ゆとりがありそうに見える、共有の玄関ホールを少し削って外部空間として、なんとか面積を搾り出すことにする。

妻は、寝室のタンスを処分したいと言い出す。僕はそれで全然構わないけれども、家具を作ることになったら高くなるんじゃないかなとやや不安。母が先日話していた、父と書斎も寝室も別々にするというのはどうだろうか、という事を今更とは思いながらも相談してみる。T先輩は、無理では無いけれども、そうすると完全に個室だらけの住宅になってしまって、コミニュケーションを図るスペースがほとんどなくなってしまうことを危惧しているとおっしゃる。今のプランだと、父と母の書斎が子供たちの通り道の脇にあるので、帰宅した子供たちが必ず顔を合わせるようになっているのだ。その点は確かに重要だと思うので、その線で母を説得しますと応える。

材料の話に移る前に、準備をしていた予算の話をする。費用リストをお見せして、分からない点などを聞いていく。解体費用は、近々建設会社から見積が上がってくるらしい。今のところ500万円を見積もっているけれども、かなり大きな額なのでもう少し小さくなることを期待している。肝心の建築工事費というのは、いわゆる坪単価で計算しているのだが、これに消費税が含まれるのか含まれないのかが分からない。5%というのはかなり大きな額なのでどうなのだろうか。T先輩は含まれないはずだとおっしゃる。だとすると今の我々の予算では坪単価95万円が上限という事になる。逆に、エレベーター設置費用や造り付け家具などは含まれるらしい。これらにかかる費用を300万円ほど見ていたので、これは削るか、建築工事費にプラスすることができそうだ。

確認申請・中間検査・完了検査の費用は、やはり民間に依頼すると高くつくらしい。役所だと4万5千円で済むところが15,6万円は必要になりそうだ。設計料は意匠・構造・設備設計とあるので14%くらいかなと思って見積もっていたのだけれど、T先輩はそんなにはいただけませんと言ってくださる。ありがたい、嬉しい、とても助かる。完全に丸投げ状態なのできちんとお支払いするつもりではいるのだけど。

続いてエコポイントの話や太陽熱利用の住宅に対する市の助成金について話をして、インテリアの材料の話に移る。持ってきた雑誌を見せながら、父と母の希望を伝え、材料と合わせて冷暖房の方法について話し合う。T先輩は輻射冷暖房機というのをお薦めしてくださる。確かにこれなら個室の多い我が家に適していそうだ。

1F床は石っぽいタイル、壁は珪藻土。2F床はコルクタイル、壁は板張り、天井に輻射冷暖房機。3F子供部屋は未定。子供たちに話を聞くということになる。我々の寝室、水回りの床はリノリウム、壁は塗装。なんとお風呂場はトイレと脱衣室と一体感を出さないと狭苦しくなるので在来工法でやろうという話になる。なのでタイルなどを使用することになる。4Fの床は色々と迷った挙句、無垢のフローリング。一応候補としてはオスモのフローリングを入れておく。マルホンのカタログにもノコメを残したフローリングがあったのだが、色が濃いものしか載っていなかったので保留とする。壁は、珪藻土にするか、漆喰にするか迷ったが、漆喰でも左官屋さんじゃなくても濡れるペイント式の物が安くできるというので、それに落ち着く。テラスは室内と高さを揃えられるということを優先してウッドデッキにすることにする。

2時から始めた打合せは終わったのが6時半。たっぷり4時間半も話しあって事務所を後にする。ぼくは疲れていたけれども助教の忘年会があったので、南大沢に向かう。参加者の少ないやや寂しい忘年会だった。

Friday, December 17, 2010

階段が減ったプランを父母に説明する

12月15日
会議と産業医面談を済ませて、早めに帰宅。夕食を済ませた後に2階に行き、父と母に構造設計の打合せを済ませたあとのプランを説明しに行く。

妻には前日に階段が一本になったことを説明して、うぇっという反応だったけれども、まあこれからのことを考えると、二世帯間の距離が縮まるのも悪くないかもしれない、とやや諦め気味にポジティブな反応をしてくれる。

父と母にもひと通り、東京都の安全条例のせいで、どうしても階段を一本減らさなくてはならないのだと説明する。母は、提案される設計に関してはもう文句を言うまいと考えているのか、構わないという反応。父は、内玄関を一度出ないと1階から2階に行かれないのが嫌だなという反応。この点に関しては仕方ないのだから諦めてもらうしかないのだが、嫌だという反応をされるのは辛い。父はさらに階段の勾配がキツイことに関して、非常に嫌そうだ。分度器を持ってきて、45度だという。45度はスキー場だったら恐ろしくて降りられないような急な勾配だという話もする。たしかに勾配がキツイことは分かっていたけれども面積を節約するためには仕方のないことなのだ。エレベーターを使ってくれとしか言えない。

玄関の靴を脱ぎ履きするスペースはどこにあるのか、と父が質問してくる。母がすかさず、土足なのだから靴の脱ぎ履きはしないのだと言う。父は、それは母の意見で自分は賛成していないなどと、今更言う。これまで打合せの度に土足前提で話をしてきたのだし、そういう図面を出していたのに、今更そんなことを言われても困るとしか言いようがない。まあ、無視するしかないな。

母が階段ホールを通して、音や熱が他の階へと広がってしまうのではないかと心配だと言う。それに関しては要相談だと思い、メモをする。

インテリアの材料にかんしてもイメージを伝えてほしいと言って、前の晩に妻と二人で見て気に入ったものに付箋を貼った雑誌や本を、同じようにやって欲しいと言って、おいてくる。父はリノリウムのような材料は嫌だと言い、母はリノリウムが良いという。父は書斎は無垢のフローリングが良いらしい。母は音のことを考えると2階にフローリングは避けたほうが良いのではと考えているらしい。1階はタイルも良いなと母が言えば父が嫌だと言う。まるで意見が噛み合わない。

冷暖房についても、予算が許せば輻射冷暖房が良いだろうという話をしておく。

予算について、改めて試算をしたものを見せる。母はなるべく節約して自己資金は温存する方が良いという。しかし、エレベーターを付けることや、収納家具等を作りつけることを考えると、建設費はそれほど絞れないのではないだろうかと思う。取り敢えず試算をT先輩に見せて相談してみようかと思う。母は将来に対する不安がかなりあるようだ。大丈夫なのか心配になる。

リョウはまだ学校に行かないらしいし、ノゾムは風邪を引いているらしいのだが、母に対してかなりひどい暴言を吐くらしい。その話を聞いただけで気が滅入る。我が家が抱えている問題はなかなか大きいのだと改めて思う。

父と母への説明を済ませて帰宅すると、妻が散歩から戻ってパソコンに向かいファームヴィルをやっている。ゲームばっかりしやがってと、むっとする。なんだか以前のリフォームの時のように、新しい家の設計に関して孤立しているように感じてしまう。みんなの幸せを願ってあれこれ考え苦労しているのに、なかなか本音を言わないというか、具体的に考える努力をしないで、相談すると文句だけを言う。こんなんじゃやってられない。T先輩と二人で相談してすべて決めてしまおうかとさえ思う。

むっとしていたら妻が少し反省したのか、インテリアについて考えてみると言ってくれる。

Wednesday, December 15, 2010

構造家Sさんと構造打合せ

12月14日。前日の市役所訪問、仕事、T先輩との打合せという連続に少し疲れてしまい、朝は寝坊する。昼前に家を出て、駅に行くと人身事故で電車が不通になっている。昼ごはんを下高井戸で食べようと考えて早めに家を出たのが良かった。待ち合わせの時間になんとかちょうど到着。T先輩に駅のパン屋さんで落ちあって世田谷線に乗り、三軒茶屋へ。
構造家のSさんの事務所は自宅と併設されていて、当然のことながら建築家による設計、ご自身による構造設計だそうで、広々とした前庭の奥にすっきりシンプルな二層の箱状の建物が建っている。
建物に向かって左側の一角が事務所になっていて、吹き抜けの空間に後から作りたしたというロフトが付いている。スタッフは4名。女性二名、男性二名いて忙しそうに働いている。若くて個人でやっている構造設計事務所ということだったので、思ったよりもスタッフの数がいるのでちょっと驚く。Sさんは僕よりも少し年長のようで、以前は佐々木睦朗さんの事務所で働かれていたらしい。

早速打合せ開始。まずはT先輩がプランをざっと説明する。1階からどのような構成になっていて、2世帯住居であることや、家族構成にいたるまで、そして現時点で一応想定している構造壁の位置、厚みなどをざっと話す。

続いてSさんが、間口方向の壁量が足りないことを指摘され、どの部分が構造壁として使えそうかということを図面に描き込みながら、相談していく。エレベーターシャフトの壁は、シャフト自体が空洞なのであんまり構造壁としては効いてこないとか、しかしながら庇をつけてスラブとつなげてあげると構造としても効いてくるとか。

今回のプランで考えるとすると、「壁式構造」となるらしい。耐震壁付きラーメン構造という形式もあり得るらしい。その場合、柱の厚みを300ミリ×450ミリくらいとり、壁はそのかわり150ミリ程度で済ませられるというやり方もあるとのこと。しかし驚いたことに、現時点の設計では250ミリを想定していた両側の構造壁は厚みが180ミリくらいで足りるらしい。これに仕上げや断熱の厚みが加わってくるけれども、思っていたよりも大分薄い。そのかわりと言ってはなんだが、間口方向の耐震壁の厚みは250ミリくらい欲しいらしい。これは結構設計に影響してきそうな厚みだ。そして壁は連続して900ミリの延長が欲しいとのこと。階高との関係から決まるのだろう。キッチンの勝手口的な開口部などは無くしてしまわないとならないかもしれない。

間口の開口部部分には梁が欲しいけれども、逆梁の扁平梁にしてじゃまにならないようにするという手段も教えてくださる。

最上階の切妻状になっている屋根に関しては、学会の指針だと、梁が欲しいし壁式だと厳しいかもしれないという話だったけれどもなんとか解決出来るかもしれないとかなんとか、、、その部分だけ鉄骨造にするもの予算は少し余計にかかるけれども、良いかもしれないとのお話だった。最上階の屋根部分だけ鉄骨造ということならば、構造適合性判定は必要ないのだそうだ。

床厚は、最低なら150ミリから170ミリ程度。分譲マンションだと200ミリから、音を気にする場合250ミリ程度。上下階、家族間の音の感じ方次第で決めれば良いとのこと。

地盤については、Sさんが事前に地盤調査会社から近隣データを入手していてくださって、2メートル程度の深さで良好な地盤面に到達するらしい。この場合、地盤調査はおよそ20万円程度。地盤改良にかかる費用は150万円程度との試算もしてくださる。後日、見積もりを取ってくれるとのこと。

基礎の形式に関しては、ピットを作る形式と、地盤改良を行う方法と両方があり得るけれども、コストはほとんど変わらないらしい。メリット・デメリットもあんまり無いらしく、地盤改良が順当じゃないですか、と仰っている。

細かい仕様に関わる点では、テラスの緑化はどの程度考えているのか(土の深さ)、バルコニーの防水の方法、お風呂場は在来式にするかユニットにするか、など荷重に関わる点を聞かれる。防水が可能なタケイというブランドのコンクリートについても話題になる。コンプラストというブランドもあるらしい、ということも話題にのぼる。

最後にスケジュールの話をして、道路拡幅の補償金の交渉に必要なので概算見積だけ急いで必要なのだという事を説明し、実際の工事、竣工予定は2年後であることを話す。Sさんいわく、建築はスパンが長いですね、とのこと。たしかに竣工予定までに3回もクリスマスが来るのだ。

帰る前にSさんの自宅兼事務所の写真をノートパソコンで見せてもらい、外に出て、外周を見せて頂く。とにかく敷地が広いなぁ。木造の建築なのだが、コーナーの柱は鉄骨のアングルの非常に細い部材で作られていて、すっきりしている。

たっぷり2時間半打合せをして帰途につく。帰宅すると5時半ごろ。ぐったり疲れる。しかしとても良い勉強になった。刺激的な時間だったと思う。

Monday, December 13, 2010

東京都安全条例のかべ

12月13日、仕事を済ませてからT先輩と駅前のスタバで打合せをする。
13日の午前中にまた民間の確認機関に協議に行ってくださったらしい。これまでは、共同住宅としてどうだろうか、という観点からチェックをしてくれていたのだが、今回は1戸建て住宅としての法的な問題をチェックしてもらったそうだ。
その結果、大きな問題が発生。両親世帯の1階と2階を結ぶ階段の降りきった地点から、敷地の外に出るまでの間が用途の生ずる部分とは、防火壁で区画されなくてはならないというのだ。要するに、今までキッチン脇に降りてきていた階段からリビングを通って玄関へ出る間に通路を確保できるように防火シャッターを設置しなくてはならないということらしい。
これに関してはさすがのT先輩もお手上げで、解決策としては2階から1階に降りる階段を一つにして、僕達の世帯と共用するしかないという。こちらの階段はエレベーターホールへと直接降りてくる階段なので避難の問題は生じない。ここまでの範囲を共用部分として捉えるしかないでしょうとのこと。しかたあるまい。
T先輩が気にしていたのは、2階の階段を登り切った地点から、僕達のフロアである3階のエレベーターホールがみえてしまうということ。3階と4階を行き来しているときに、1階と2階を行き来している人がいると、階段越しに目があってしまうのだ。これはもう、カーテンでも付けて解決するしかないだろう。それほど気にすることでもないように思う。しかしこの点は妻に聞いてみなくてはならない。
それから階段の登り始めの位置を反対にしてみることをT先輩が検討し始める。正直、階段の上下がぐちゃぐちゃになって混乱してしまい、なかなかT先輩がなにをどのように検討しているのかが分からずついて行けない。
階段の位置の付け替えに関しては、ひと通り検討してみたものの4階で無駄な空間ができてしまい、現在のプランの伸びやかさが損なわれてしまうので辞めることにする。
続けて、1,2階間の階段が一本減ったので、そのスペースをどのように使うかを検討する。廊下にする案も考えるが、結局トイレを少し広めに取り、エレベーターホールの側からはフィガロの足洗い場に使えるような流しを設置することにする。
僕達の玄関というか、下駄箱はどこにしようかと考える。エレベーターを使う場合、直接4階まで行くだろうし、階段の場合は3階にまず入るだろうから、二箇所に靴を脱ぎ履きする場所を作る必要ができてしまう。エレベーター脇にそのためのスペースを設ける。その分さらに3階の寝室の収納が減ってしまう。大丈夫かなぁ。。。
T先輩はどんどん図面に修正液で訂正を入れては、製図用のシャープペンで書きこんでいく。三角スケールを適宜使用して寸法を確認したり。改めて、さすがはプロと思う。打合せをしながらどんどん図面を作って行ってしまう。
たっぷり2時間半ほど打合せをしてスタバを出る。

家族でプランの打合せ

12月12日@月ビル

朝にT先輩からPDFで送られてきたプランをプリントアウトして、コンビニで拡大コピーして、一部を父に渡す。
夕食を済ませて9時頃から相談をしようということになる。

ひと通り、どのように前回からプランが変更されたのか、法律的に何が問題となったのかなどを説明する。

父も母も大まかな所ではもう問題ないのでは、という反応。唯一T先輩も問題だと話していた洗濯機の位置だけがなんとかならないだろうか、という議論になる。現時点のプランでは洗濯機が2階の水回りには置けなくて、一階の玄関の脇にあるのだ。エレベーターで洗濯物を運べば良いのかもしれないが、ちょっと不便だ。1階トイレの位置と交換するのはどうだろう、などと話をする。妻はワークスペースを削ってはどうだろうか?とか、その分減る2階の面積は4階を削って補填すれば良いのではなどと言っているがあんまりうまい解決策ではないように思う。

LAN配線やエアコンのことも父が気にしている。設備やさんとの相談もじきに必要になってくるだろう。母は2階の寝室前のバルコニーに関して、なくても良いとか、洗濯物を寝室で干すのはどうだろうかという話をする。外観の事を気にしているのだろうか?母がどうしてバルコニーに関してこだわっているのかが今ひとつよく分からない。

現在の月ビルと比較して面積が小さく見えるのはどうしてなのか、と父に聞かれ、現在の月ビルでは階段が外階段になっていて延床面積に含まれていないのが、今度の設計では内階段になって含まれる事になるのが大きいと説明する。エレベーターの面積も小さくはない。納得してもらえたが、図らずも父が今回のプランについて面積がきついのだと感じている事がよくわかった。

我々の寝室についても、ちょっと収納量が厳しいな、という話をする。妻は今使っているタンスがあまり好きではないらしく(嫁入り道具)重ねて使えないだろうか、とか買い換えてしまおうとか言っている。場合によっては予算が許すなら造り付けのクロゼットにしてしまうこともできないかなぁ、、、

などなど話をして帰る。ノゾムがなかなか言うことを聞かなかったり、部屋を散らかしたままだったり、ゲームばかりやっていたりと、甥っ子達の事について母が頭を痛めている事が強く感じられた。なんとか彼の力になってやれないだろうか。リョウも12月に入ってから学校に行っていないらしい。

市役所に相談に行くことも両親に話したのだが、母は病気のことなど色んな捉え方考え方の人がいるから話さない方がよいと言う。とにかく母達の世帯が孫の養育のために生活苦なのであるということと、2度の引越しや仮住まいの経済的・精神的負担を訴えて欲しいとの話だった。

妻と帰宅してから「嘆願書」を少し手直ししてプリントアウト。明日の市役所訪問に備えて、ねることにする。

Sunday, December 12, 2010

新しいプラン

12月12日、朝の10時過ぎにT先輩から新しいプランが送られてくる。最初は土曜日に、と言っていたのに日曜日の朝になったというのは、苦労されのだろう。もしかしたら昨晩は徹夜したのではないだろうか?

プランは先日の打合せで決めたように、一戸建ての住宅として設計されており、エレベーターと階段がコンパクトにまとめられて防火区画となっている。

色々な箇所がずいぶんとスッキリしてシンプルになってきたように感じる。特に4階はリビング、ダイニング、ワークスペースが広々としたワンルームになっていて、東西の両面にテラスがつくという、とても贅沢な空間になっていて感激する。子供部屋も広くはなっていないのだが、前の廊下に収納が取れるようになっていてかなり機能的になったように感じる。建築家って、人の夢をふくらませてくれることができて凄い職業だなあ、と今更ながら感心する。

今晩、このプランを持って両親達と相談。明日、市役所に行ってから仕事に行き、その後にT先輩と打合せの予定。両親たち、子供たちがこのプランを気に入ってくれると良いのだけれども。

エレベーターの種類

12月9日、Tさんと打合せ@openvision 

T先輩にお願いをして、週末に現在検討中の図面のデータを送ってもらったのに、結局このところ調子が悪くて週末は殆ど寝ていたので全くいじることが出来なかった。エレベーター周りの構成を変更して、図面を直しますということだったので、とにかくお任せすることにして、打合せに臨むことにする。

午前中は会議。昼ごはんを駅前のスタバで済ませて、代田橋のT先輩の事務所に向かう。2時から打合せの予定で、ちょうど良い時間に到着。コーヒーを入れて頂いて打合せ開始。

前回の打合せでは、エレベーターの扉一枚で住戸間を行き来できてしまうのでは共同住宅にならない、という難題が発生したということで、一応解決策も考えてくださってはいたけれども、プランの魅力が損なわれるのも事実で難しそうだという感触だった。

今回の最大の問題もエレベーター。共同住宅と定義される建築ではホームエレベーターという範疇に入るエレベーターは使用できないということが判明したのだ。ホームエレベーターではないエレベーターというのは、乗用エレベーターと呼ばれるらしい。問題は、乗用エレベーターになると、設置のコストが700万円以上、そして毎年必要なメンテナンス費用が40万円。これはなかなか厳しい。というか現実味が無いと言ってもいいように感じる。ここで、エレベーターを付ける場合は共同住宅にするという可能性はほとんどなくなったと思う。

では、ホームエレベーターにした場合はどのような問題があるかというと、共同住宅ではなくて一戸建ての住宅ということになるので、共用部分の延べ床面積からの除外という緩和規定が利用できなくなる。つまり、容積率ぴったりの面積までしか建てられないので、この前までのプランよりも少し面積を削らなくてはならないということだ。それと、四階建ての耐火建築物となるので、階段とエレベーターホールを防火区画としなくてはならない。けれども、これに関してはT先輩が防火区画となって防火扉をつけなくてはならない場合でも煙探知機のついた火災時に自動で閉まる防火扉というのを使用すれば、そんなに閉鎖的な空間にはならないで済むかもしれないと、解決策を提示してくださる。

その他、家具の配置や、4階のプランでリビングとダイニングの配置についてなど話し合う。ファサードについても少し話題になる。どうしてもエントランスの付近にエレベーターを配置しなくてはならないので、開口部のない大きな柱上のボリュームがファサードに出てきてしまうのが、どうにもならなくて困った感じ。

4時過ぎまで打合せをして、お別れ。クタクタになったので駅前のコンビニでアイスを買って食べる。