Friday, October 15, 2010

最初の顔合わせ

昨日の午後、代田橋にあるT先輩の事務所にお邪魔してきた。代田橋の駅は新宿からすぐなのに、こじんまりしていて、駅前の浄水場(?)もなかなか風情のある建物+構内。緑の豊富な場所だ。神社の社務所の二階にあるこの事務所はT先輩の設計。道路側のファサードはとても控えめな表情だ。

T先輩に会うのは久しぶり。全然変わっていない。そして驚いたことに同じ事務所のスペースに大学の研究室のOBであるA先輩もいらっしゃった。つい世間話をして時間を費やしてしまった。その間にT先輩が先日旅行していたベトナムのおみやげであるベトナムコーヒーを淹れてくださった。スキムミルクを入れて甘くて香りのあるコーヒーを飲みながら、相談というか設計の依頼の件をお話した。

僕自身も設計はするのだが、いかんせん病み上がりで、仕事とは別に自宅の設計をするなどという余裕はちょっと今は無い。そこで設計はできるだけやりたいけど、責任の伴なう仕事はT先輩にお願いしたいという虫の良い話をする。要するに、結構専門的知識があって細かいことまでうるさく口を出す厄介な施主というような形だ。T先輩は快諾して下さり、できるだけ共同設計という形にしましょうと言ってくださる。ありがたい限りだ。

その他、設計の標準的な流れ、必要な期間などを説明してもらい、こちらからも今分かっている道路拡幅に伴なう用地・建物の補償のはなしをする。T先輩の話では9ヶ月あれば着工まで辿りつけるということだったが、こちらとしては、出来る限りゆとりをもって進めたいなと思う。

T先輩に設計を依頼したいと考えた理由も御説明する。設計を依頼する理由というのは、どのような役割を期待しているのかということと表裏一体なので、とても大事だろうと思う。今後徐々に肉付け出来ればと思う。

T先輩はとにかく、設計の具体的な話に入る前に、施主となる僕の家族にお会いして、お見合いというか、この人なら設計を安心して任せることができると感じてもらうのが一番大事だとおっしゃり、まずはそのお見合いの日取りの候補を決めることにする。

雑談も含めて一通りのことを話したら、予定していた時間をかなり超過してしまった。2時間以上話していたのではないだろうか。

帰る前に先輩の設計された社務所+事務所の建物をぐるっと回って紹介して頂く。道路と反対側に神社の境内があり、こじんまりした広場がある。こちら側から見ると、この建物と広場の関係がとても心地良い。ぜひ社務所が広場に向かって開いて使われているところを見てみたい。道路に向かって下がる形の片流れの屋根のせいで、境内側から見ると建物のボリュームは意外と大きい。二階にある事務所の大きな窓に境内の樹木が映り込んで伸びやかに感じられる。

後から先輩のかつて働いていた難波先生の事務所の「箱の家」シリーズの写真を見て、先輩の事務所の佇まいと共通するものを感じた。学生の頃は生粋のコルビュジエアンだった先輩からすると、ディテールの線が綺麗で、難波事務所の影響を強く受けたのだろうなと思う。

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