Saturday, February 11, 2012

コンクリートの放射能汚染3

コンクリートの放射能汚染について、打てる対策に関して結論がでました。

当初はコンクリートに使用する材料のサンプルを民間の検査機関に送ってもらい、中一日で検査結果をもらい、安全と確認できた材料で生コンクリートを作ってもらって使用するというのが、最も確実な方法だと考えていました。検査費用は一回8千円で6回コンクリートを打設する必要があるので48000円の費用負担です。

ところがコンクリートのプラントからは材料の流通のスピードがもっと速く、中一日の検査の時間を取ったらその材料と実際に使う材料が別のロットの物になる可能性があり対応できないと、言われてしまいました。

去年の8月に資材置き場で放射線量を測定した時に安全な値だったのでそれ以上の対応はできかねるということなのです。

仕方ないので建設会社の方が持っている放射線量を測定器で生コン車が現場に到着したら、そのコンクリートを検査してもらうことにしました。更に、その場でサンプルを採取してもらい、検査機関に送り、コンクリートの打設後になってしまうのですが、汚染の有無をチェックしてもらうこととしました。

検査機関の方の話しによると、建設会社の持っている放射線量測定器は検査機関で使用している放射能測定器に比べて信頼度が低いとのこと。検査対象のコンクリートがある場所と何も無い場所で測定した値が著しく違った場合は要注意であるとのことです。

この方法でダブルチェックすることにした場合、

①生コン車が現場に来て建設会社の方がチェックし、異常が見つかった場合はその生コンは返品。他の車両に問題が無ければそちらを使用する

②建設会社の方がチェックしても問題が見つからなかった場合、打設を行い、サンプルを検査会社に送付し、その結果が出るまで工事を中断する。→工期が延びる

③建設会社の方がチェックして問題が見つからなかったのに、検査会社の測定で危険な値が出た場合、打設されたコンクリートを解体し、再度施工。

ということになります。

問題は、コンクリートの汚染が検出された場合、誰の費用負担でこれに対処するかなのですが、コンクリートのプラントの責任でお願いできませんか、と聞いたところ、それなら仕事は降りますという返事。どうやらコンクリートプラントの組合で対応が決まっているらしく、他のプラントに話しを聞いたとしても同じ返事になりそうなのです。要するに国や自治体の基準で、ある値以上の放射能に汚染されたコンクリートを出荷してはならないということが決まっていない以上、責任は取れないということのようです。放射能汚染を気にするなら、施主が自主的に検査して、問題が見つかった場合も施主の自己負担で対処しろということです。

③の場合が最悪の事態なわけですが、その場合汚染コンクリートの解体・廃棄、再施工の費用が全額施主の負担になるのです。かといって放射能に汚染された建物に住むという選択もあり得ないし、背に腹は代えられません。

少し希望が持てるのは、今年度中、つまり3月末までに国で出荷しても良い放射能汚染の限度の基準を作成するらしいということです。それ以降は一応安全基準を満たしたコンクリートしか出回らなくなるはず。月ビルの工期との関係で行くと、4月になるまでの最初の2,3回の打設分で検査会社にチェックしてもらったサンプルに問題が無ければセーフということになります。

放射能汚染の限度は、自治体にもよるようなのですが、0.23マイクロシーベルト/hourというのが、1ミリシーベルト/yearに相当する値で一つの目安になります。これは精度にやや問題があるらしいですが比較的簡単に放射線量測定器で測定できるそうです。もう一つの基準が100ベクレル/kgという物体の放射能そのものの基準です。こちらは検査機関でないと測定できないようです。ベクレルとシーベルトの違いは、シーベルトがある場所で測った単位時間当たりの放射線の量で、生物に影響を与える度合いを示すもので、ベクレルというのは物体が放射線を出す能力(放射能)そのものを表す値、ということのようです(にわか勉強でよく理解していませんが。。。)

今日田中さんから送って頂いた、コンクリートプラントが1月30日に自主的に検査した材料の放射線量の値を見てみると、おおよそ0.06μSV/hrなので、実際に使うコンクリートが危険なほど汚染されている可能性は極めて低くく、結果的に全てが取り越し苦労になればよいと思うのですが。

それにしても放射能汚染に関する全てのリスクを施主が負わなくてはならないというのは、どうにも納得がいきません。

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