Friday, November 12, 2010

第一案

月曜日のお昼の時間に仕事場でTさんと打ち合わせをする。
ラフな案だけどと断りながらも、細かく描き込まれたプランを二種類持ってきてくださる。

今回のプランの幾つかの設計の前提を抑えると、

1.共同住宅とはしないで一戸の住宅とする。
共同住宅とすると共用の階段及び廊下部分を防火区画しなくてはならなくなり、鉄扉等の建具で仕切らなくてはならなくなる。そうすると空間が途切れてしまい、広がりが感じられなくなる。
容積率の緩和規定を使って共有部分をふかして設計した場合、法律には適合しても建設コストが膨らんでしまう。

2.抜け道的な設計らしいのだが、木造の階段を敢えて部分的に使うことによって建物全体を耐火建築ではなくて準耐火建築と位置づける。それによって階段周りの竪穴を区画しなくて済むようにする、という方法があるらしい。

これをふまえて、延べ床面積が180㎡未満になるように色々な工夫をして設計がされている。特徴としては、

a.完全に二世帯で玄関を共用する。
b.玄関というよりは、広めのホールのような形になっており、玄関ホール兼共有リビングルームという形になっている。
c.エレベーターを設置することによって、二階に父母の寝室及び風呂周りをもって行く。
d.寝室は個別に設けるが勉強部屋は4人で共用するという、スタディルームの提案。
e.完全な4階建て

などなど。

特に一階のエントランスホールがリビングと兼用になっていて、外部に対してもかなりオープンな作りになっているのは「アジア的」と言ってもよいようなデザイン。Tさんが先日旅行してきたベトナムの家の作りに影響を受けたという話がとてもよくわかる。
大家族がエントランス周りの通りに面したリビングで団欒している姿はアジアの都市住宅を想起させて魅力的に感じる。

色々な工夫が見られるが、一目見て感じるのは当たり前だけれども僕が自分で検討していた案よりも狭いということ。部分部分の寸法の取り方にはやはりプロらしくちゃんとゆとりが取られているので、ここから更に空間を搾り出して、大きめの空間を作ることは可能かもしれないけれども、どの部屋も小ぶりに作られているという印象は否めない。延床面積を約20㎡削って、更にエレベーターを設置しているので、どうしても面積的に厳しくなるのは仕方ないだろうが。


予算と広さという現実を突きつけられたようで、少々意気消沈してしまう。まあ、リアリティとの直面というのは家づくりには必要なステップだろうと思うけど。

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