Wednesday, April 20, 2011

構造打合せ@openvision

4月14日

4時から構造の打合せということなので、その前に3時からT先輩と打合せ。大学からopenvisionへ向かう。

行くとすでにセイキという網戸メーカー(?)の営業の人が来ていて、ハニカムサーモという断熱効果のあるブラインドのようなスクリーンのようなもののサンプルを見せながら説明をしてくれる。T先輩が今考えているヴェルックスというメーカーの木製サッシの障子に取り付けられるかどうかを訊ねる。障子からガラスまでの見込みが50ミリ程度必要らしく、T先輩もヴェルックスのカタログを見て確認している。

傾斜面に付けるトップライト用のハニカムサーモは縁が太くて少し見苦しい。開いたときに縁があまり目立たないタイプは垂直面用で傾斜面には使えないらしい。下に引いて溜めて、上に引き上げて閉めるタイプは、頂点が中心にないとバランスよく引き上げることができないので半円形や二等辺三角形のような形でないとだめらしい。しまったときにすっきりと見えるようにしたいので、その場合天井に彫り込みを付けてそこに収まるようにしなくてはならないとのこと。天井懐がないので、結構難しそう。

セイキの営業の方が帰ってT先輩と少し話していたら構造家のSさんと担当のKさんがやってくる。Kさんは初対面なので名刺を交換する。構造打合せはかなり時間がかかる。

三階の屋根に関しては、間口方向に耐震要素がないので木造ラーメンとして金物を使用する方法がまず思いつくけれどもこれはコストアップになってしまうらしい。T先輩もあんまり無理してまでそのような架構方法にするのは消極的なのであまりなさそうな選択肢になる。120ミリ角の角材を並べて屋根を作るという方針は変更無しなので、木造ラーメンにする場合、小口同士をボルトと接着剤を併用して剛接合にして、そのような部材を何カ所か入れるという形でラーメンになるらしい。

木造ラーメンにしない場合はスチールの方立てをブレースとして使用することができないだろうか、とT先輩が提案する。その手もありそうだとの反応。或いは全て木造として構造用合板で数カ所に袖壁をつけるという方法もあるとSさんが提案する。平面図の構造壁を入れられそうな箇所にペンで色を付けていく。何となく、すっきりと長手方向に抜けている空間が途切れてしまうような気がして僕は今ひとつだなと感じる。

一階のスラブと二階のスラブの間に間口方向の構造壁が足りないことも判明する。エレベーターシャフトが吹き抜け、階段の部分も吹き抜けになってしまうのでスラブからスラブまでの力がうまく伝わらないのでエレベーター周りの壁が構造としてあまり計算に入れられないのだそうだ。そこでエレベーターシャフトの東側、アプローチ部分にスラブをくっつけてテーブルとするのはどうかという話になる。また、階段の段数を何とか詰めて階段側にも少しスラブをくっつけられないかを検討する。何とも厳しいせめぎ合いだ。

二階の浴室と階段の間の壁も120ミリで取っていたのだが180ミリは必要ということで、ここも寸法的になかなかタイトに詰まってきた。

地下のドライエリアに関しては本体の構造と一体化していることを条件に平均地盤面の算定に算入しなくてもよいという条件があるので、ここも構造との打合せが必要になる。構造設計の人は意匠設計の人よりも施工に近いのか、敷地境界線から地下を掘る場合にどの程度の距離を取っておく必要があるかなども判断してくれる。掘る深さから土留め壁に必要なH鋼の寸法を推測して、実際にどの程度の距離が必要なのかを計算するのだが、おおよそ500ミリくらいは欲しいという結論になる。

地盤調査に関しても進展がある。解体、着工のスケジュールを鑑みてどの辺で地盤調査を行うかを話し合う。ボーリングは解体後じゃないとできない。Sさんがすぐにボーリング試験に必要な機材がどのくらいの広さを必要とするか地盤調査会社に問い合わせる。

解体の時点ではすでに確認申請を済ませて工事契約をしていることになるので、地盤が予想よりも悪かった場合、確認申請をもう一度やり直さなくてはならない。予想していたよりも地盤がよかった場合は変更申請で済むとのこと。とにかく現時点では周辺データで推測して設計するしかないのだが、SS+ハンドオーガーという試験ならば小さなスペースでも可能なので、まずはそれを基本設計終了時点でやってみることにする。これで問題なしという結果が出た場合は、もうボーリング調査はしない。怪しいという結果が出た場合、ハンドオーガーでサンプルを採取しておいて土質試験を行う。それでも不明な場合は解体後にボーリング調査を行うという流れになる。

構造のSさんとKさんが帰って行った後、T先輩と二人でさらにしばらく打合せをする。まずは地下のプランについて。母が父と書斎をできる限り分けたいと考えているので、そのことを相談するが、取り敢えず扉を付けるだけなら後からでもできるので今のままのプランで行こうという話になる。寝室に関しては二人のベッドの間の壁を1800ミリ程度にし、足下に本棚を置くことで廊下からの視界を遮るようにする。

三階の南側の開口部に関しては、法規上の解釈がかなり曖昧であるという説明をT先輩がしてくれて、0.5平米以下ならば概ねOKだろうということ。0.5平米というと700ミリ四方くらいなので十分大きいのではないだろうか。模型ではスタディのために上下二段で三列、計六つの開口部が南側に付いているが、ヴェルックスの窓は一つ12万円くらいするらしく、ちょっと贅沢すぎるかな、と感じる。模型を覗き込みながらいろいろと迷った挙げ句、最初にT先輩が計画していたように2×2の4つの窓が付く形式が一番適当であるような気になる。

打合せの最後の方は集中力が途切れてしまって、なかなか考えがまとまらない。そしてそれに追い打ちを掛けるように、ずっとBGMとして流れているJ-WAVEのラジオ番組が早口言葉コンテストのようなことをやっていて、気が散ってしょうが無い。もう限界だなと感じた8時に打合せ終了。帰路につく。

夕食を食べてしばらくしたら、T先輩から今日の打合せを反映させて手直しした図面が送られてくる。まったく頭が下がる。仕事が早いし集中力が桁違いだなとつくづく思う。自分もだんだん仕事のペースを取り戻して、このくらい仕事のできる人間になれたらと思う。

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