3月2日(水曜日)
この二三日、花粉症の薬の副作用なのか眠くてほとんど何もすることができないでいる。午前中はひたすら寝て、なんとかベッドから這い出して打ち合わせに行く。
openvisionに行ってT先輩と設計の変更点や開口部の位置などについて少しお話をしていると、設備設計のymoの山田さんと石田さんがやってくる。名刺交換をして早速、T先輩が建物の概要を説明する。
地下の居室の環境、特に湿気の問題が気になっていることと、4層の建物なので上部で得た日射による熱を下の階に循環させることを考えていると説明する。しかし、「そよ風」の説明をしたところ、あまり効果ないですよとの反応。OMソーラーなどでも外気温プラス1,2度程度しか上がらなくて実際はかなりヒートポンプを使って加熱することによって成り立っているのだという。山田さんの意見では数百万円もするようなシステムを入れるくらいなら、そのお金を床暖房や日射遮蔽などに使った方が効果的に快適な環境を作れるだろうとのことだった。
上層階に溜まった熱はサーキュレーターで下の階に回してやるというのは効果的だそうだ。そのかわり音や声も一緒に聞こえるようになってしまう可能性があるとか。
開口部についても少し議論になる。東側からの日射を遮蔽することの重要性が割とおろそかになっていることが多いけれども、夏の間は、朝東から入る日差しをしっかり遮って室内に熱を入れないことを大事だと力説される。西日は意識している人が多いが、西日と同じくらい朝日も日射による熱が大きいらしい。T先輩が太洋工業のタープのような製品を東側のテラスにかけるのはどうかと考えているといって製品を紹介する。また、西側は開口部をできるだけ絞って、開口部分にはオーニングをつけることで、西日を遮ることを考えていると話す。
各部屋の空調に関しては、主としてパネルを使用した輻射冷暖房を想定しているとT先輩が説明し、パンフレットをお見せする。山田さんは、なんと言っても輻射冷暖房が一番快適ではあるけれども、金額的に利用できないことがほとんどなのですと言う。しかし今回T先輩が選んだ製品は比較的安価な製品なので、何とか使用できそう。山田さんもこれは安いですね、と驚いている。
南側からの日射が一番コントロールしやすいので、南側には積極的に開口部をとりましょうというような話になり、現状ではトップライトが一つだけなのだが、これを二つにしてもよいかもしれないという話や、エレベーターのあった位置の壁に窓をとってもよいかもしれないという話になる。山田さんの見解では、縁側と呼んでいる3階の東側のスペースをどのように扱うかがかなり環境的には勝負のしどころになりそうとのことだった。
ymoのお二人と打ち合わせを済ませて、お二人が帰ってから今度はT先輩と二人で開口部についてどうしようかと相談する。お風呂場の開口部を少し大きくしてもらって、窓辺に植物でも育てられるようにしたいとか、子供部屋の前の廊下の開口部は大きくした方が風通しがよくなるだろうとか、僕たちの寝室の窓は、小さい方がファサード的にはいいように思うなど、基本的にT先輩の設計のラインで部分的に修正をお願いする。地下のドライエリアに対する開口部に関しては、両親たちに聞いてみないと分からないので、早急に相談すると答えておく。
エントランスの部分に関しては、袖壁を出すことによって、延焼の恐れのある範囲から除外することができるので、そうなると開口部を防火設備にしなくてもよくなるので、かなり自由に作ることができるのだ、と言ってT先輩が塚本さんの最近の著書である「窓のふるまい学」という本を取り出してきて、いろいろとおもしろいアイディアがあるから、スタディして考えようと言ってくれる。僕もこの本はかなりおもしろいと思っていたので早速買うことにする。できればエントランス周りだけでも30分の1で模型を作ってスタディしてみたいなと思う。
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